いつだってやめられる

何度目かのオタク人生。関ジャニ∞さんなどについて。

『Fight for the Eight』PVを読み解く

f:id:yoshida-ttkm10:20190411200848j:plain『Fight for the Eight』は、アルバム『FIGHT』に収録された、妖艶なPVと、コンサート『関ジャニ∞五大ドームツアー EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません』での演出の斬新さで有名なダンスナンバーである。



今回はあの独特なPVについて、うるさく語ってみたい気分。
「どうしてあんな雰囲気のPVになったの……?」
そのために、まずは歌詞について触れたい。

作詞作曲を担当する葉山拓亮さんは、
関ジャニ∞『蒼写真』『北風ブルース』
横山裕トリックスター
など、世界観が際立つナンバーの提供をしている音楽家だ。

ご本人が歌われる楽曲をこの機会に聴いてみた。
あまり言い方が相応しくはないが、この方、「旅に出がち」である。



閑話休題
さっそく今回の歌詞のとある部分について掘り下げてみたい。

今回キーワードになる言葉は、実は「カサノバ」であると私は、考えている。


カサノバ」とは、18世紀に、彼自身の生涯の遍歴によりその名を広めた作家であるジャコモ・カサノヴァ(以下カサノヴァ)という男のことを指す。
彼はヴェネツィアで、俳優と女優の間に生まれたとされている。(別の男との婚外子であるという説もある)

当時のヨーロッパでは主流となっていた寄宿学校へ入学したカサノヴァは、そこで出会う女性と初めて性交渉を行い、オーガズムを知る。
当時11歳だったカサノヴァにとってその経験は、その強い探求心に火をつける着火材となったのだ。

その後カサノヴァは聖職者として働き始めるが、その風貌から尊敬と軽蔑の目を同時に浴びていたという。
当時の彼の姿は、長身で浅黒い肌に、カールさせた髪型、そして常に妖艶な香水を身に付けていたらしい。
その風貌や大胆さからカサノヴァは、社交界に飛び込むやいなや、多くの女性と関係を持つことになる。

しかしある日、少女を強姦した罪に問われ(冤罪であることが後に分かる)、カサノヴァは地元ヴェネツィアから逃げ、ヨーロッパ各地を転々と旅して回ったという。

その旅で出会った数多くの女性と関係を持つカサノヴァは、恋愛感情よりも性への関心が強く、その生涯で抱いた女性の数は1,000人を超えるとも言われている。

そして数年後、冤罪のほとぼりが冷めた頃にヴェネツィアへ帰郷したカサノヴァは、再びスキャンダルで監獄に入れられてしまう。
それは、当時恋人として付き合っていた女性の父親がその交際に反対し、カサノヴァをフリーメイソン(キリスト教から多く批判されている神秘主義の友愛結社)との関係を持つ者であると密告したことによるものだった。
彼が本当にフリーメイソンと関係があったかは定かではないが、当時のカサノヴァは魔法や妖術に強い関心を持っており、それと同時に女装や同性との性交渉を生涯を通して行っていたことが、フリーメイソンの理念に近しい部分があると推測されたことが要因であると考えられている。



以上のことより、ジャコモ・カサノヴァの生涯は、今回の曲の歌詞全体、及びPVからも汲み取れる部分が多くあるのではないだろうか、と考察した。



PVでは、衣装は男性らしくあるが、メンバー全員が男性と女性の間の存在になるようなメイクをしており、カサノヴァの女装愛や同性愛を彷彿とさせる。

また、中に出てくる水着姿で動物のマスクを被った女性たちも、彼の生涯の女性関係と結びつけられるのではないだろうか。



そして、このPVには、その女性たちと関ジャニ∞のメンバー以外にも、もう一人登場する者がいる。

それは、ピエロだ。
なぜこのPVにピエロが登場するのか。

元々、サーカスの存在しない中世ヨーロッパにおけるピエロとは、貴族に呼ばれおどけてその場の空気を変える職業を指す。それはギャンブルなどの賭場で多く活躍し、その転々と放浪する様から“自由人”、“逃亡者”、はたまた“悪魔”と呼ばれていたともいう。

この歴史を踏まえて、ピエロの存在の必要性は「その場に影響を与える、旅人」という明るいものなのかも知れない。



今回は『Fight for the Eight』のPVについて触れました。
すんごい好きなのです。
クールでセクシーでミステリアスなのにコメディ要素もあって、まさに“関ジャニ∞の雰囲気”を映像化したものだなぁ、と感じているんです。

いつか、『関ジャニ∞五大ドームツアー EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません』の演出についても話したいな。
とても楽しいですよね。
あのコンサートなら『夜な夜な☆ヨーNIGHT』も好きです。
お酒が進む一曲。


また。