いつだってやめられる

何度目かのオタク人生。関ジャニ∞さんなどについて。

『一秒KISS』実現性を考える

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『一秒KISS』は最強最高全曲バチイケの伝説のアルバム、『PUZZLE』に収録された“裏雨ソング(※1)”である。

この歌の一人称である男は、何故かデートで雨、できれば土砂降りを願う。

その理由はただ一つ、「キスがしたい」。



今回は、ちょっと思考回路が独特なこの男が編み出した、「一秒KISS」について考えてみたい。





歌詞によると「一秒KISS」とは、まばたきよりも早く、“君”に気づかれないように行うキスを指す。


しかしこのキスには矛盾点がある。
まばたきの速度である。

人のまばたきには、

周期性まばたき(生理的な無意識のまばたき)
反射性まばたき(光などの刺激によって引き起こされるまばたき)
随意性まばたき(意識的にするまばたき)

があり、
「気づかない」とあるため、“君”が行ったまばたきは周期性まばたきであると推察される。

この周期性まばたきの速度は平均で100-150ミリ秒であるとされている。

1000ミリ秒=1秒
であるため、周期性まばたきは約0.1秒に1度行われていることになる。



では、まばたきよりも早くキスするためには、男はどれほどの速度でキスをしなくてはいけないのか。

ネットで調べてみところ、
男女のキスがしやすい身長差は12センチ
だということで、男と“君”の身長差は12センチと仮定する。
また、マイナビウーマンのアンケート結果によると、
男女のキスに発展しやすい顔面の距離は約10センチ
であるという意見が多かったため、男と“君”の距離は10センチと仮定する。


キスしやすい身長差12センチメートル(高さ)
キスに発展しやすい距離10センチメートル以下(底辺)
の直角三角形であるとすると、
男と“君”までの唇の距離が斜辺となる。


【斜辺の求め方】※^2を「2乗」として扱う。
(底辺^2)+(高さ^2)=(斜辺^2)
10^2+12^2=x^2
x^2=244
x=15.62049(四捨五入して15.62とする)


また男は“君”にキスを顔を元の位置に戻して気づかれないようにする必要があるため、この斜辺を1往復する。

往復距離31.24センチメートル=0.0003124キロメートル



∴0.0003124×36000=11.2464

つまり、男は最低でも時速11.2464km以上の速さでで“君”にキスをしなければ、まばたきよりも早くキスをしたことにはならないということになる。
(ちなみにこの速度は秒速に換算すると3.124m/sである。)





しかし、まばたきよりも早くキスができたところで、それはただの「0.1秒KISS」であって、「一秒KISS」ではない。

では、次はこの「0.1秒KISS」を「一秒KISS」にするための方法について考えたい。




「ストロボ効果」という言葉を聞いたことはあるだろうか。

ストロボ効果とは、時間折り返し雑音と呼ばれる視覚現象の一つである。
ストロボ効果は日常の様々な場所で体験することができる。

最も身近なもので言えば、「映像」である。

映像は元々膨大な数の画像を繋ぎ合わせて一つの動画に見せるものであり、いわば高速のパラパラ漫画である。
そして、その映すメディアによって一秒の映像に必要な画像の枚数は異なってくる。(これをフレームレートと呼び、1秒に必要な枚数はfpsという単位で表される。)

たとえば映画館。スクリーンに流れる映像の1秒間には24コマの画像が流れている。(24fps)

さらにテレビでは1秒間に30コマの画像が使用され、映像を作っている。(30fps)


人にとっての目視から脳への伝達・理解までのスピードを超えた速度で情報を与え続けることで、ストロボ効果は実現されている。



つまり、“君”または神視点にとって、男が“君”にキスをしている時間が一秒に感じるためには、最低でも24fps必要となるため、男は「まばたきよりも早いキス」をおよそ一秒内に24回連続して行う必要がある。

その速度については、まばたきよりも早くするキスの速度を求めた際の秒速のキスの速さを24倍することで求まるので、

3.124m/s×24回=74.976m/s

時速に換算すると
269.91360000000003km/h(四捨五入して269.9136km/h)



この速さは新幹線のぞみの最高速度に匹敵する。





また、この視覚現象の利用に加えて、歌詞より読み取れる男のこだわりから、もう一つ触れておきたい視覚現象がある。

それは「グレア現象」である。
雨の日の夜、車を運転している際に、対向車のヘッドライトが乱反射し、目の前の歩行者が消えて見えてしまうという現象を指し、その眼球への影響は、長くて3秒ほど回復の時間を要する。

男は恐らくこの現象を利用して、自身の姿を“君”から見えにくくするために雨の夜というタイミングを狙っている可能性が高い。





以上のことより、
『一秒KISS』という歌の歌詞よりまとめると、男の考案した「一秒KISS」は、

①雨天の夜間
②強烈なライトが自身の後ろから発生する位置に立ち
③身長差12cmの“君”に対して
④正面から10cm離れた距離から
⑤新幹線のぞみと同等の速さ(269.9136km/h)で
⑥24回連続してキスをする

ことで実現可能であることが分かった。





しかし、これはかなり難易度が高い。

まず人間から新幹線に転身するとともに、雨天の視界の悪いときに走行中の車の前に立たなければいけない。

そして何よりも、新幹線のような速さで人体にぶつかると、確実に人は死んでしまう。
とても危険である。

これではキスを実行できたとしてもおやすみのキスよりも先に、二人ともこの世からバイバイしてしまう。

誰かこの男にこのキスの困難さを伝えて、まず彼女にちゃんと告白してからキスをすることのほうが安全であることを教えてあげてほしい。



そして計算は算数すら苦手な文系ジャニオタの机上の空論であるため、どうかご容赦いただきたい。





あと、ここまで読んでくださった方たち、よかったら『一秒KISS』を聴くたび、男がキツツキよろしく新幹線のような速さで女の子にキスをしている姿を思い出して、ゾッとしてください。
夏なので。




※1「裏雨ソング」
019年6月16日にテレビ朝日より放送された「関ジャム完全燃SHOW」の特集「梅雨時に聴きたい!雨ソング ベスト10」で紹介れた、タイトルや歌詞全体に“雨”というワードが頻出しないが、“雨”という設定の元歌われている楽曲。